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米上院では25時間5分の演説が記録された。長話で議会を止める仕組みとは

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更新日:2026-10-31

2025年3月31日の夜、米国上院の議場で一人の議員が演説を始めた。ニュージャージー州選出のコリー・ブッカーである。

議場に立ち続けた時間は翌日まで及び、25時間5分に達した。米国上院で一人の議員が行った演説として、それまでの最長記録を更新した。

その前の記録は、1957年の24時間18分だった。南部サウスカロライナ州のストロム・サーモンド議員が、公民権法案に反対して行った演説である。

なぜ議員はこれほど長く話し続けられるのだろう。

演説を終わらせるルールが争点になる

議会には議案を討論する仕組みがあり、どこかで討論を終えて採決へ進むための規則もある。

米国上院では歴史的に、討論の時間を限らずに続けることが可能な場合があった。議員が長く演説して採決を遅らせる戦術は、フィリバスターとして知られる。

もちろん、すべての長い演説がフィリバスターに当たるわけではない。ブッカーの2025年の演説も、議事妨害の歴史との比較で語られたが、具体的な法案の採決を遅らせる伝統的なフィリバスターと同じ仕組みではなかった。

1957年には、公民権法へ反対するために使われた

サーモンドは1957年8月28日夜から翌29日夜まで、24時間18分にわたって演説した。

目的は、公民権法案を阻止しようとすることだった。米国で人種差別の是正を目指す法整備を妨げるために、この議会手続が用いられた歴史は重要である。

上院史料によれば、南部の議員たちは過去にも公民権法案に反対する際、長時間の討論を利用した。1964年には大規模な公民権法の成立へ向け、討論終結の手続が重要な役割を果たしている。

討論を終えるための投票もある

上院には**クローチャー(討論終結)**という仕組みがある。

1975年の規則変更で、通常の法案については上院議員の5分の3、現在の100人を前提にすれば通常60人の賛成で討論を終えられるようになった。ただし人事承認などでは後に異なる先例が採用され、すべての案件が同じ60票ルールではない。

討論の自由は、少数派が意見を述べ続ける手段になる。一方で、多数派の支持する政策を成立させにくくする効果もある。

25時間5分という数字は、人間の体力を考えても印象的だ。しかしもっと重要なのは、議会が何を決定できるかを、討論と採決の手続が左右しているという点である。

REFERENCES

参考文献・出典

  1. About Filibusters and Cloture — Historical Overview ↗U.S. Senate Historical Office
  2. All-Night Sessions of the Senate, 1915 to Present ↗U.S. Senate Historical Office
  3. Cory Booker's Long Speech: By the Numbers ↗Office of Senator Cory Booker, April 2025

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