フライパンにトウモロコシの粒を入れて熱すると、しばらくは静かなままだ。それがある瞬間から、パン、パン、と音を立てて弾け始める。黄色く硬い粒は、一瞬で何倍もの大きさの白い塊に変わる。
この変化を起こしている主役は、粒の中に閉じ込められたわずかな水だ。
種の中に水とデンプンがある
ポップコーン用のトウモロコシの粒は、硬い外皮に覆われている。その内側には、発芽のときの栄養になるデンプンと、少量の水が入っている。
加熱が始まると、中の水の温度が上がる。水は蒸気になろうとするが、硬い外皮に閉じ込められているため、すぐには外へ逃げられない。
その間に粒の内部では圧力が高まっていく。温められたデンプンも、水と熱の作用で柔らかくなる。
アメリカ化学会は、この状態を、内部の水蒸気が殻を押す力と、殻が耐える力のせめぎ合いとして説明している。
殻が割れた瞬間に白く膨らむ
内部の圧力が外皮の強さを超えると、粒は一気に破裂する。水蒸気が急激に広がり、柔らかくなっていたデンプンが押し出されて泡のように膨張する。
膨らんだデンプンは空気に触れて冷え、すぐに固まる。これが、私たちが食べる白いポップコーンだ。
弾ける音は、外皮が破れ、内部の圧力が急に解放されるときに生じる。小さな粒が大きく膨らむのは、デンプンの塊の内部に細かい空間が一気にできるからである。
弾けない粒が残る理由
鍋の底に、弾けず残った硬い粒を見つけることがある。
外皮に傷があって蒸気が逃げてしまったり、粒の中の水分が適切な量でなかったりすると、十分な圧力をためられない。熱が均等に伝わらず、うまく弾けない場合もある。
ポップコーンになるトウモロコシには、普通のスイートコーンとは異なる、硬い外皮やデンプンの性質がある。甘いトウモロコシをそのまま乾燥させても、同じようには弾けにくい。
映画館で食べるポップコーンの軽さは、粒の中にあった水が一瞬で蒸気へ変わることで生まれている。