ひとくち雑学 · 生物

ペンギンは北極にいないのに、赤道直下のガラパゴス諸島には暮らしている

この記事の目次
更新日:2026-10-31

ペンギンといえば南極の氷の上を歩く姿が有名だ。そのため、北極にもペンギンが暮らしていそうな気がする。しかし野生のペンギンは北極圏には分布していない。

ところが南極から何千キロメートルも離れた、赤道直下のガラパゴス諸島にはペンギンがいる。ガラパゴスペンギンという種類で、わずかながら北半球側にも分布する。

氷のない熱帯の島で、どうしてペンギンが生きられるのだろう。

ペンギンは南半球で進化して広がった

ペンギンの仲間は、長い進化の歴史の中で南半球を中心に分布を広げてきた。南極だけでなく、南アフリカ、南アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドの沿岸などにも生息している。

種類によって暮らす場所は違う。コウテイペンギンのように海氷の上で繁殖する種類もいれば、暖かな海岸で巣をつくる種類もいる。

共通しているのは、海で魚などを捕らえる生活に適応していることだ。ペンギンに必要なのは寒さそのものより、繁殖に使える陸地と、十分な餌を得られる海の環境なのである。

赤道に届く冷たい海流

ガラパゴス諸島の周辺には、南アメリカ西岸から北上する冷たいフンボルト海流や、深い海から湧き上がる冷たい水の影響がある。

こうした海流は、豊富な栄養分を表層に運び、プランクトンと魚を育てる。ガラパゴスペンギンは、その魚を追って暮らしている。

暑い日差しを避けるため、岩の割れ目や洞窟で休むこともある。南極のペンギンとは違う工夫で、熱帯の島に適応しているのだ。

ただし冷たい海流の勢いが弱まり、海水温が上がるエルニーニョの年には、魚が減って大きな被害が出ることもある。

北極には野生のペンギンがいない。それでも赤道の島にはいる。ペンギンの分布を決めてきたのは、緯度だけではなく、海流と餌と進化の歴史だったのである。

REFERENCES

参考文献・出典

  1. Penguins ↗Australian Antarctic Program
  2. Galapagos penguin ↗Galapagos Conservation Trust
  3. Galápagos Penguin ↗World Wildlife Fund

リンク先は外部サイトです。本文は資料を参考に独自に執筆しています。