南大西洋のフォークランド諸島には、草に覆われた丘と海岸の間にペンギンの繁殖地がある。キングペンギン、ジェンツーペンギン、イワトビペンギンなど、姿や暮らし方の違う複数の種類が同じ島々で繁殖する。
人間の住民は数千人ほどだが、繁殖するペンギンはその数を大きく上回る。海では魚やオキアミなどを捕り、陸地へ戻ると卵やヒナを守る。種類によって巣をつくる場所や繁殖の時期は異なり、岩場に集まる鳥もいれば草地を歩く鳥もいる。
その暮らしは南極の氷の上とはずいぶん違う。フォークランド諸島は南大西洋の冷たい海に囲まれ、豊かな海の餌に支えられている。海洋環境が変われば、子育てに必要な餌を集めることにも影響する。
一方、この諸島をめぐっては英国とアルゼンチンの間に主権争いがあり、1982年には戦争が起きた。人間が領有を争う島々は、ペンギンにとっては長い距離を泳いで戻ってくる繁殖地でもある。
