アタカマ砂漠のある年の写真には、岩と砂しか写っていない。同じ場所の別の年の写真を見れば、地面がピンクや紫の花で覆われていることがある。「花咲く砂漠」と呼ばれる現象で、チリ北部でも特に乾燥した地域で起きる。
砂漠の植物は、雨の少ない季節にも青々と茂っているわけではない。土の中で種子として長い時間を過ごし、地下の器官に蓄えを持って生き延びるものもある。通常は乾いていても、まとまった雨が降ると発芽や成長が一気に進み、短い期間に花が広がることがある。
大切なのは雨の量だけではない。雨が降る時期、気温、その後に乾燥が戻るまでの長さによって、どの植物が咲くかも変わる。同じくらい雨が降っても、必ず同じ景色になるとは限らない。
花畑が枯れたあと、また長い静かな時間が続く。しかし何もないように見える地面にも、次の機会を待つ種子が残っている。砂漠で生命が途切れていないことが、まれな雨の年に目に見える形で現れる。
