ペンギンを見に行く場所として、南極ではなく南アフリカの海岸を選ぶ人がいる。ケープタウン近郊のボルダーズ・ビーチでは、白い砂浜に野生のアフリカペンギンが巣をつくり、海から上がってきた鳥が岩の間を歩いていく。
アフリカペンギンは氷の上で暮らす鳥ではない。南部アフリカの沿岸で繁殖し、海では小魚などを捕らえる。陸へ戻れば日差しを避けられる場所に巣を構える。観光客が木道から観察できる場所もあるが、人に慣れたように見えても野生動物であり、手を出したり追いかけたりしてはいけない。
この種には深刻な問題がある。餌になる魚の分布変化や漁業との競合、生息地の変化などが重なり、個体数は大きく減少してきた。海岸での繁殖が写真に収まることと、種全体の未来が安泰であることは別だ。
青い海の砂浜にペンギンが立つ風景は、南極の氷の写真とはずいぶん違う。だが、海の環境に強く依存している点では共通している。
