落花生の花は、地上に咲く小さな黄色い花。ところが、秋に豆を収穫するときは、土を掘らなければなりません。
花から豆になるまでに、何が起きているのでしょう。
花がしぼんだ後、その付け根から細い柄が伸び始めます。名前は子房柄。先端に実になる部分を抱えたまま下へ伸び、地面に届くと、そのまま土の中へ。おなじみのさやが膨らむのは、そこからです。

バングラデシュでの落花生の収穫。撮影:Holud.himu.kalo.rab/Wikimedia Commons/CC BY-SA 4.0。
花が咲いた場所と、豆が育つ場所
殻付きの落花生を割ると、中には薄皮に包まれた粒が並んでいます。この粒が種子で、殻はインゲンやエンドウと同じ「さや」。落花生はマメ科の植物で、そのさやを地下で育てます。
地上で花を咲かせ、地中で実を育てる。この育ち方を地下結実と呼び、子房柄が土に入れなければ、さやや種子は十分に育ちません。
そこで大事になるのが、株の周りの土。根が伸びやすいだけでなく、花の後から伸びてくる柄が潜れる柔らかさも必要です。さやは地中で周囲の土から水分やカルシウムを吸収しながら膨らんでいくため、豆のできる浅い部分の土が、収穫にも関わってきます。
掘り上げると、大小のさやが付いている
一株の豆が同時に育つわけではありません。地上では次々と花が咲き、そのたびに新しい柄が土へ向かうため、地下のさやも成長段階はさまざま。
先に咲いた花のさやが膨らむころ、後から咲いた花は、まだ細い柄を地面へ伸ばしている途中かもしれません。葉が黄色くなり始めるころ、さやの育ち具合も確かめながら収穫の時期を決めます。
収穫した株を見ると、大きく膨らんだものに交じって、まだ小さなさやも。細い柄をたどってみると、一つ一つが、かつて地上に咲いていた花につながっていたことを想像できます。