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ミツバチはダンスの角度と長さで、花の方角と距離を伝える

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更新日:2026-11-01

花のある場所を見つけたミツバチが巣へ帰ると、腹を振りながら歩き始めます。少し進んでは回り込み、また腹を振って前へ。その軌跡は、8の字のような形です。

このダンスで伝えているのは、仲間がまだ見ていない花の場所。腹を振りながら進む向きに方角、その動きを続ける時間に距離の情報が含まれています。

巣板の上で腹を振りながらダンスするセイヨウミツバチ

ミツバチのダンス。図版:J. Tautz・M. Kleinhenz、Chittka(2004)より抽出/Wikimedia Commons/CC BY 2.5。

真上へ踊れば、太陽の方角へ

セイヨウミツバチの典型的な8の字ダンスは、巣内の垂直な巣板で行われます。踊る個体のそばへ仲間が集まり、動きや振動を感じ取る様子も観察されています。

そこで方角の基準になるのが、巣板の上向き。腹を振りながら真上へ進めば、外では太陽のある方角へ飛ぶ、という合図になります。

真上から右へ45度傾いて進むなら、餌場も太陽の方角から右へ45度の方向です。巣の中の上下を、外の空にある太陽の方角へ置き換えているわけです。

時間がたてば、太陽の位置も変わります。同じ花の場所を伝えるときでも、それに合わせてダンスの向きを調整。目印が動くぶん、伝える角度も変えているのです。

腹を振る時間を測ると、距離も読める

距離の手掛かりは、一回のダンスの中で、腹を振りながら進む区間の継続時間。遠い餌場を伝えるときほど、この区間が長くなります。

帰ってきたハチは、蜜や花粉の匂いも持ち込みます。仲間が受け取るのは、方角と距離に加え、探す花の匂い。巣の外へ出てから餌場を見つけるまで、いくつもの手掛かりを使えます。

人間も、このダンスを読んで花の場所を調べています。農研機構が開発したのは、巣箱内の映像から腹の振動を見つけ、動きの向きと時間を自動で読み取る技術。多数のダンスを解析すると、周辺のどの範囲が餌場になっているかを推定できます。

巣箱の中を撮影するだけで、外のどこへ蜜を集めに行っているかが見えてくる。ミツバチが仲間へ伝えていた道案内を、研究者も横から読み取っています。

REFERENCES

参考文献・出典

  1. Automatic decoding of waggle dance of honeybees ↗農研機構
  2. Decoding the Honey Bee’s Waggle Dance ↗American Museum of Natural History
  3. Chittka (2004), Dances as Windows into Insect Perception, PLoS Biology 2(7), e216 ↗Public Library of Science

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