フランスと国境を接する国といえば、ドイツ、イタリア、スペイン、ベルギー、スイスなどが思い浮かぶだろう。
しかしフランスが陸地で最も長い国境を持つ相手は、そのどれでもない。南アメリカのブラジルだ。両国の国境は約730キロメートル以上あり、フランス政府自身が、これをフランスで最も長い陸上国境だと説明している。
ヨーロッパの国が、なぜ南米のブラジルと陸続きなのか。
南米にある、フランスの一部
南アメリカ大陸の北東部には、フランス領ギアナという地域がある。名前から独立した国や植民地を想像するかもしれないが、現在はフランス共和国の海外県・海外地域である。
住民はフランスの国政選挙に参加し、フランスの法律が適用される。欧州連合EUの一部にも含まれている。位置は南アメリカだが、政治的にはフランスなのである。
フランス領ギアナの東側から南側にかけてブラジルとの国境が続き、西側はスリナムと接している。ブラジルとの境界には、オヤポック川などの川や森林が広がる。
国境の向こうに、ヨーロッパの法律がある
ヨーロッパの地図だけを見ていると、フランスは大陸西部にある国に見える。しかし世界地図で海外地域まで含めると、カリブ海、インド洋、太平洋、南米にもフランスの領域がある。
フランス領ギアナは、その中でもヨーロッパ連合の宇宙基地が置かれた場所として知られる。フランス領ギアナからヨーロッパのロケットが打ち上げられる理由も、同じ地理的な事情に関わる。
フランスとブラジルは国境をめぐる安全保障、違法採掘、森林保全、移動などの問題でも協力している。2026年にはフランス外相が国境の町オヤポックを訪れ、約730キロの国境に関わる課題について発言した。
国境の長さを比べるとき、ヨーロッパに描かれたフランスの形だけでは答えを間違えてしまうのである。