ブラジルのマナウス近郊では、黒っぽい川と黄土色の川がぶつかっても、すぐには一色にならない。二本の流れの間にはくっきりとした境界ができ、そのまま何キロも並んで流れていく。アマゾン川の名所「二つの水の出会い」で見られる光景だ。
黒っぽいのはネグロ川。周辺の森林から流れ込む有機物が水を濃い色に染める一方、含まれる土砂は比較的少ない。対するソリモンイス川は、アンデス山脈方面から運ばれてきた細かな土砂を大量に含み、ミルク入りのコーヒーのような色をしている。
どちらも水なのだから、合流した途端に混ざってしまいそうだ。だが実際には、水温や流速、密度などの違いが境界を長く保たせる。JAXAは、二色に分かれて見える流れが約10キロメートル続くことを紹介している。もちろん、二つの川の間に壁があるわけではない。境目では水が少しずつ混ざり、下流へ進むにつれて色の違いも失われていく。
この場所で面白いのは、川の色が単なる見た目の違いではないことだ。黒い流れには森林の水が溶かした物質の特徴が、茶色い流れには遠くの山地で削り取られた土砂の特徴が現れている。同じアマゾン川に合流しても、しばらくはそれぞれがたどってきた流域の違いを見分けられる。
