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クモの巣には、本物のクモがつくった「大きな偽物のクモ」がぶら下がっていることがある

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更新日:2026-10-31

南米ペルーの熱帯林で、小さなクモの巣をのぞくと、妙なものがぶら下がっていることがある。

巣の中央に見えるのは、大きな脚を広げたクモのような形。しかしそれは本物のクモではない。糸、枯れ葉、昆虫の死骸などを組み合わせてつくられた偽物なのである。

本物の小さなクモは、偽物のそばに隠れていたり、その上に乗っていたりする。

クモが自分より大きなクモをつくる

この行動が確認されたのは、ゴミグモ属 Cyclosa の仲間だ。彼らは巣に捕食した昆虫の残骸や植物片を取り付けることがあり、もともと変わった巣飾りで知られていた。

ところがペルーなどで観察された個体は、残骸をただ積み上げるのではなく、中央に胴体らしい部分をつくり、そこから脚のような細い構造を伸ばしていた。離れて見ると、本体よりはるかに大きなクモに見える。

2012年頃から研究者らが行動を観察してきたが、2025年に発表された研究は、ペルーとフィリピンのクモがこうしたクモ形の巣飾りをつくることを、学術論文として詳しく報告した。

偽物を揺らして見せることも

巣飾りをつくる理由については、天敵への対策だという仮説がある。

小さなクモを食べる虫や鳥が、巣に大きなクモのような影を見つければ、近づくのをためらうかもしれない。あるいは偽物の方へ攻撃が向かえば、本物は逃げられる。

ペルーのクモでは、偽物の上にいたクモが巣を揺らし、大きなクモが動いているように見せる行動も観察された。

ただし、偽物によって生存率がどれほど上がるのか、天敵が実際に何を見てどう反応しているのかは、まだ十分に検証されていない。研究者らも、見かけがクモに似ていることと、その役割が証明されたことは区別している。

巣は獲物を捕らえるだけの道具ではない

クモの巣は、飛んでくる虫を捕らえる網だと考えられがちだ。しかし実際には、巣の糸には振動を伝えたり、身を隠したり、天敵を避けたりする役割もある。

ゴミグモの一部は、巣に残った小さなゴミまで使って、自分より大きな影をつくってしまう。巣の中央にいるように見えたクモが、実はクモ自身による偽物だった。

REFERENCES

参考文献・出典

  1. Cyclosa Menge, 1866 (Araneidae) Orb-Weavers Build Stabilimenta That Resemble Larger Spiders ↗Ecology and Evolution 15(11), e72371 (2025)
  2. These spiders weave themselves giant doppelgängers to scare away predators ↗Scientific American, January 2026

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