1922年11月21日、87歳のレベッカ・フェルトンがアメリカ連邦上院で宣誓した。女性が上院議員になるのは史上初めてだった。翌日、彼女は議席を後任に譲った。
任期はわずか24時間。なぜこれほど短かったのか。
もともとジョージア州選出の上院議員が死亡し、空席が生まれていた。州知事トマス・ハードウィックは10月3日、フェルトンを後任に任命した。女性の参政権を保障する憲法修正第19条が成立してからまだ二年。知事の決定には、女性有権者の支持を意識した政治的な計算があったとされる。
しかし上院は休会中で、彼女が議場で宣誓する機会は簡単には訪れなかった。その間に新しい議員を選ぶ選挙も進み、ウォルター・ジョージが当選する。ジョージが自身の宣誓を一日遅らせたことで、フェルトンは11月21日に正式に議席へ座れた。演説も一度だけ行っている。
この記録には、見過ごせないもう一面がある。フェルトンは女性参政権を支持する一方、白人至上主義を公然と唱え、人種隔離を擁護した人物だった。彼女の活動歴には、女性の政治参加を求めた運動と、黒人の権利を否定する主張が並んでいる。
初めて女性が上院に入った日を祝う歴史と、当時のアメリカ南部が抱えた差別の歴史は切り離せない。24時間の議席には、1922年という時代の複雑さが詰まっていた。