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ハトにカメラを付けて空撮していた。1908年に特許を取った小さな撮影隊

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更新日:2026-10-31

ドローンが登場するよりずっと前、胸にカメラを下げて町の上を飛ぶハトがいた。

仕掛けたのは、ドイツの薬剤師ユリウス・ノイブロンナー。20世紀初め、伝書鳩を使っていた彼は、その飛行を写真に残そうと考えた。1908年には、ハトによる上空からの撮影方法で特許を取得している。

小型カメラを取り付けた伝書鳩

撮影:Julius Neubronner(1909年)/Wikimedia Commons/Public domain

飛んでいる間、誰がシャッターを切るのか

ハトはカメラを運べても、撮影の操作はできない。そこで使われたのが、時間を置いて作動する自動シャッターだった。

ドイツ技術博物館が紹介する仕組みでは、飛ばす前に小さなゴム球へ空気を入れておく。空気が抜けるとシャッターが作動し、写真が撮れる。無線で命令を送らなくても、離陸後に撮影できるわけだ。

もちろん、最初から本物のカメラを積ませたのではない。ハトを重さに慣らすため、模型を装着させて訓練した。

家へ帰るハトの性質を利用し、運搬に慣らし、撮影だけを機械に任せる。動物と小型機械を組み合わせた航空撮影だった。

ハトの胸に、パノラマカメラ

カメラには複数の型が作られた。なかでもドッペル・シュポルトは、レンズを回転させながら、湾曲したフィルムに横長の景色を写すパノラマカメラである。

スイス写真機博物館の解説によれば、撮影面の大きさは3×8センチ。小さなハトに積む機械でも、一瞬の狭い景色だけでなく、広がりのある写真を狙っていた。

ドイツ博物館には、この発明による伝書鳩用パノラマカメラが収蔵されている。当時の写真に写る胸の箱は、発明家の空想を描いた小道具ではない。

空から持ち帰った景色を売る

1909年、ノイブロンナーはドレスデンの国際写真展で実演を行った。ハトを飛ばし、持ち帰った写真を現像し、絵はがきにして販売する。撮影する動物の珍しさと、自分では見られない上空の景色が、一つの商品になった。

その後、1930年代のスイスでは、16ミリフィルムを使う伝書鳩カメラも開発された。ただし、こちらは商業的な成功には結び付かなかったという。

ハトの空撮では、地上の人間が思いどおりにカメラを向けられるわけではない。撮影したい建物の前で止まらせることもできない。それでも、飛ばしたハトが帰ってきて、フィルムから町の眺めが現れる。その一連の出来事そのものに、人を集める力があった。

REFERENCES

参考文献・出典

  1. Julius Neubronner and his flying photographers ↗German Museum of Technology / Google Arts & Culture
  2. Fliegende Kameras ↗Deutsches Museum
  3. Photographer pigeons… ↗Swiss Camera Museum

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