うるう年には2月29日が増える。年に一日を足すだけなら、12月31日の次に新しい日を置いてもよさそうだ。それなのに、いつも短い2月にだけ一日が追加される。
この不思議な決まりは、二千年以上前のローマの暦につながっている。
かつて年は3月から始まっていた
古代ローマの初期の暦については、後世の伝承も多く、詳しい制度は必ずしも明らかではない。ただし、ローマの古い暦では3月が年の初めと考えられ、2月が年の終わりに位置していた時期があった。
今の月名にも、その痕跡が残る。英語のSeptemberはラテン語の「7」に関わる名前だが、現代では9月である。Octoberも「8」に由来するのに、今は10月だ。月の位置が移り変わっても、名前は長く受け継がれた。
古代ローマでは、月の満ち欠けをもとにした暦と季節とのずれを調整するため、ときどき追加の月を入れる方法が使われていた。その調整が行われたのも、2月の終わりごろだった。
カエサルの改革で、一日を足す方式へ
紀元前1世紀、ユリウス・カエサルは暦を改革した。季節とのずれを小さくするため、一年を原則365日とし、約4年ごとに一日を加える仕組みを導入した。
これがユリウス暦である。古代ローマの数え方では、追加日は現在のように単純な「2月29日」とは表現されず、2月24日前後の日を重ねる扱いだった。
後の暦の発展によって、現在では2月29日として数えるようになった。しかし追加する場所が2月であるという習慣は、そのまま残った。
今も4年に一度とは限らない
現在広く使われるグレゴリオ暦では、4で割り切れる年を原則うるう年とする。ただし100で割り切れる年は例外で、さらに400で割り切れる年はうるう年になる。
この仕組みは、一年の季節の周期が365日ぴったりではなく、約365.2422日だから必要になる。
うるう年の2月29日は、現代の天文学の計算と、古代ローマで年の終わりに暦を調整した習慣が結び付いた日付なのである。