01. 首の骨は7個なのに、どうして長い?
キリンの頸椎は基本的に7個で、人間と同じ数である。ただし一つひとつが著しく伸長し、重い頭を支える靱帯や筋肉も発達した。長い首が進化した理由には、高所の葉を食べられること、オス同士のネッキングに関わることなど複数の仮説がある。単に「高い葉を食べようと頑張ったから首が伸びた」という説明ではない。
首が長いことは得ばかりではない。地面にある水を飲む際には、長い脚を広げて頭を下げなければならない。大きな体と首を動かすたびに、循環器にも負担が生じる。
02. 舌は50cm、でも色の理由には謎がある
キリンの舌は約45〜50cm。つかめる舌と柔軟な上唇を使って、トゲのある木の枝から若葉を選び取る。舌の先は青黒い紫色で、根元はよりピンク色に近い。日焼けを防ぐため暗くなったという説は魅力的だが、暗い舌を持つオカピが深い森林に暮らすことなどを考えると、まだ確定した説明ではない。
03. 頭を上下させても倒れないのはなぜ?
キリンの心臓は脳に血を送るため高い動脈圧を必要とし、成長にともなって血圧が上がる。心臓の左心室の壁、頸静脈の一方向弁や伸縮性など、血液循環の調整に特殊化が見られる。なお「心臓は必ず11kg」という話は一般向けに広く使われるが、古い測定値への異論もあり、全個体に当てはまる事実ではない。
04. 群れは意外と複雑な社会
キリンの群れは数頭からなり、構成員が入れ替わることも多い。それだけで「毎回知らない相手が偶然集まる」と思われてきたが、メス同士の血縁や親しさによる結びつきが研究で示されている。若いオス同士のグループ、母親と子どもの長い関係、子どもを複数頭で見守るクレッシュなど、その社会は見た目より複雑だ。
05. キリンの睡眠時間は本当に5分?
キリンは立ったまま浅く休むことも、地面に横たわって深く眠ることもある。睡眠は短い区間に分かれやすいが、野生での睡眠時間は十分に分かっていない。「キリンは1日5分しか寝ない」と断定するのは適切ではない。種類、年齢、野生か飼育下か、何を睡眠に数えるかによって測定結果は変わる。
06. キリンは一種ではなく「4種」?
2025年8月、国際自然保護連合(IUCN)の専門家グループが、遺伝情報・頭蓋骨の形・生息地域などの証拠から、キリン属をキタキリン、アミメキリン、マサイキリン、ミナミキリンの4種として扱う評価を公表した。古い図鑑の「1種9亜種」と記載が異なることがある。野生個体数も種によって大きく違い、北部のキリンは特に少ない。