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ダウ平均は、会社の規模よりも1株の値段で影響力が決まる

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更新日:2026-10-31

アメリカの株式ニュースに欠かせないダウ平均は、世界でも特に有名な株価指数だ。アメリカを代表する30社の株価から計算される。

ところがこの指数には、少し変わった特徴がある。会社がどれだけ巨大なのかより、その会社の株が1株いくらで売られているかによって、指数への影響力が変わるのだ。

株価100ドルの会社より、500ドルの会社の方が5倍大きく影響する。たとえ100ドルの会社の方が、企業全体の価値では大きかったとしても、である。

最初は鉛筆と紙だけで計算できた

この仕組みを理解するには、1896年までさかのぼるとわかりやすい。

5月26日、新聞記者チャールズ・ダウは12の工業会社の株価を足し、それを12で割った数字を発表した。初日の値は40.94。これがダウ工業株平均の出発点だった。

現在のように大量の株式情報を瞬時に計算するコンピューターは存在しない。新聞に掲載する指数は、計算が簡単で、読者にも意味がわかることが重要だった。

やがて対象企業は1916年に20社、1928年に30社へ増える。会社の入れ替えや株式分割が起きたときに指数が不自然に変わらないよう、現在は単純に30で割らず、調整された数字を使っている。

しかし、株価そのものを基準に影響力を決めるという特徴は残った。

株価が高い会社と、大きい会社は違う

たとえば時価総額1000億ドルのA社の株価が1株500ドル、時価総額5000億ドルのB社が1株50ドルだったとする。

A社の株価が1%上がれば5ドル上昇。B社が同じ1%上がっても50セント上昇だ。ダウ平均ではA社の値動きの方が10倍の影響を与える。B社の会社全体の価値はA社の5倍なのに、である。

S&P500など多くの指数は、企業全体の時価総額に応じた重み付けを採用している。そのため、ダウ平均とは値動きが違うことがある。

株式ニュースでダウ平均が上がったと聞いたとき、それは必ずしもアメリカ企業の価値が同じ割合で増えたことを意味しない。1896年に紙と鉛筆で計算された平均値の仕組みが、今の指数の性格にも残っているのである。

REFERENCES

参考文献・出典

  1. 130 Years of Stewardship: The Evolution of the Dow ↗S&P Dow Jones Indices
  2. The Dow ↗S&P Dow Jones Indices

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