極地の夜空に広がるオーロラには、さまざまな色がある。緑色の帯がゆらゆらと動き、赤い光がその上に広がることもある。写真によっては紫や青も混ざって見える。
オーロラの色を決めているのは、夜空のどの高さに、どんな気体があるかという違いだ。
太陽から来た粒子が大気を光らせる
地球の周囲には磁場が広がっている。太陽の活動によって宇宙空間から運ばれた電気を帯びた粒子は、この磁場の影響を受けて極地方の上空へ導かれる。
粒子が地球の高層大気へ入ってくると、酸素原子や窒素分子などにエネルギーを与える。すると原子や分子の電子の状態が変わり、元へ戻る際に光を放つ。
その光がオーロラだ。遠くから見ると空全体が光る巨大なカーテンのように見えるが、実際に光っているのは高い空にある酸素や窒素である。
緑と赤は、同じ酸素から生まれる
最もよく見られる緑のオーロラは、主に酸素原子が波長約558ナノメートルの光を放つことで生まれる。
では赤は何か。実は高い場所の酸素原子が、緑とは別のエネルギー状態から戻るときにも赤い光を出す。NOAAの解説では、この赤い光はとくに高度300キロメートル以上で目立つとされる。
高い空では、酸素が発光するまでの間にほかの粒子と衝突しにくい。そのため、ゆっくり起こる赤い発光も観測されやすくなる。
一方、青や紫の光には窒素が大きく関わっている。オーロラの色は、粒子が入ってきた高度と、そこにある気体の組み合わせで変わる。
色の違いから宇宙の活動もわかる
オーロラの光り方は、太陽と地球の磁場がどのように結び付き、宇宙からどんなエネルギーが流れ込んでいるのかを知る手がかりにもなる。
強い太陽活動の際には、普段オーロラの見えない緯度でも光が観測されることがある。人工衛星や通信、電力網に影響する宇宙天気の研究とも深く関係している。
緑や赤に染まる夜空は、遠い太陽で始まった出来事が、地球の空気を光らせている光景なのである。