飛行機の事故がニュースになると、調査で「ブラックボックスを回収した」という言葉をよく聞く。名前から真っ黒な箱を想像するが、実際の飛行記録装置はオレンジ色に塗られている。
しかも、その色には理由がある。事故後、機体の破片の中からできるだけ早く見つけ出すためだ。
一つの箱に全部入っているわけではない
航空機の事故調査で重要になる記録装置には、大きく二つの種類がある。
一つはフライト・データ・レコーダー(FDR)。速度、高度、機体の向き、さまざまな機器の状態など、飛行中の数値を記録する。
もう一つはコックピット・ボイス・レコーダー(CVR)。操縦士の会話、管制との通信、コックピットに聞こえた警報音などを記録する。
事故が起きたとき、操縦士の記憶や機体の損傷だけでは、何が先に起こったのか判断できない場合がある。記録装置の情報とほかの証拠を照らし合わせることで、事故の原因に迫ることができる。
見つけることも装置の仕事
国際民間航空機関ICAOの基準では、通常の飛行記録装置の容器は目立つオレンジ色に塗り、発見しやすいよう反射材を付けることが求められている。
海へ落ちた場合には、水に触れると音波を発する位置探知装置も役立つ。事故の衝撃や火災に耐えるだけでなく、行方不明になった装置を回収するところまで考えられているのだ。
だから「ブラックボックス」という呼び名は、実際の外観を表した名前ではない。中身が外から見えない装置を指す表現として広まった言葉だ。
事故の謎を解くための装置は、名前と違って、見つけやすい色をしている。