バチカン市国では、生まれた場所や両親の国籍だけで国民になる仕組みが中心ではない。教皇庁や市国で担う職務、居住の資格などと国籍が深く結びついている。非常に小さな国であるため、ほかの国とは違う制度が採られている。
たとえば、一定の条件で勤務する聖職者やスイス衛兵などが国籍を持つ場合がある。仕事や任務を離れれば、国籍を失うこともある。つまり、どこで生まれたかよりも、現在どのような職務を担い、居住を認められているかが重要になるケースがあるのだ。
ただし、すべての勤務者が自動的に市国の国民になるわけではない。家族や居住に関する細かな規定もあり、法令に従って扱いが決まる。国籍を失った人が無国籍にならないようにするための制度も関わっている。
バチカンは世界最小の独立国家だが、その小ささだけで特殊なのではない。国家を維持するための仕事と、国籍そのものが結びついている点でも独特である。
