イタリア半島の小国サンマリノでは、国家元首がいつも二人いる。「執政」と呼ばれる二人が共同で国家を代表し、任期はわずか半年だ。毎年4月1日と10月1日には新しい二人が就任する。
選ぶのは国の議会にあたる大評議会である。執政という職名や二人制の仕組みは、共和国の長い歴史にさかのぼる。権力を一人へ集中させないという考え方と結びつき、現代まで維持されてきた。
二人が国家元首だからといって、日常の政治を二人だけで決めるわけではない。サンマリノには議会や政府があり、執政の権限は制度で定められている。任期が短いことも、同じ人物が長く頂点に居座らない仕組みの一つだ。
大統領が一人、国王が一人という国の姿に慣れていると、半年ごとに二人の国家元首が入れ替わる制度は変わって見える。しかしサンマリノにとっては、長い歴史の中で続いてきた共和国の運営方法なのである。
