モナコでは、港のそばの交差点やホテル前の坂道が、ある週末だけF1マシンの走る場所になる。モナコグランプリは専用サーキットではなく、日常の街路を使って行われるレースだ。
道路を閉鎖し、ガードレールや安全設備を設置し、観客を迎える。モナコのコースには狭いカーブやトンネル、上り下りがあり、普段なら一般車が使う道路を高速で走るための技術が求められる。広い現代的なサーキットと比べ、追い越しの難しさでも知られる。
このレースの始まりは1929年。小さな公国であるモナコは国土が限られ、巨大な専用サーキットを簡単に造れるわけではなかった。都市そのものをコースに使うことで、港や歴史ある建物とレースが一体になった独特の風景が生まれた。
レースの準備と片づけには多くの人が関わる。競技が終われば、コースになっていた道路は再び日常の交通のために開かれる。世界のトップドライバーが攻めたカーブを、住民の車やバスが通っていく。