選挙は投票所で一回だけ投票するもの、と思っていると、エストニアの仕組みには驚かされる。エストニアでは国政選挙などでインターネット投票が認められており、しかも投票期間中なら何度でもオンラインで投票し直せる。
最初に選んだ候補者を変えたくなったときだけではない。家族や職場の人に見られながら投票を強要されても、後で一人になってから投票し直せるようにするという考え方がある。電子投票には、自宅で投票できる便利さと引き換えに、秘密投票を守る難しさがあるからだ。
エストニアの選挙当局によれば、同じ有権者がオンラインで複数回投票した場合は最後の票だけが有効になる。さらに、その人が投票所へ行って紙で投票したなら、オンラインで投じた票は無効になり、紙の票が優先される。
ネット投票の導入は2005年に始まった。電子本人確認などの基盤を利用する一方、投票を確認するための技術や、集計の正しさを検証する制度も整えなければならない。端末に不正なプログラムが入る危険や、投票の秘密が守られるかという議論も続いている。
エストニアが採用したのは、紙の投票を単にインターネットへ移す方法ではない。投票し直しを認めるなど、ネットでの選挙に特有の問題へ制度で対応する仕組みだった。
.jpg?width=960)