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ギリシャ沖の沈没船から見つかった、2000年前の歯車式計算機

更新日:2026-10-30
ギリシャ沖の沈没船から引き上げられたアンティキティラ島の機械の本物の破片
ギリシャ沖の沈没船から引き上げられたアンティキティラ島の機械の本物の破片撮影・制作:Logg Tandy / Wikimedia Commons(画像の原典) · CC BY 4.0(表示サイズのみ変更)

1900年、ギリシャのアンティキティラ島近くで、海底に沈んだ古代の船が発見された。翌年に引き上げられた品々の中には、ひどく腐食した青銅の塊があった。彫像や貴重品に比べれば地味な遺物だったが、調べるうちに歯車が組み込まれていることが分かってくる。

アンティキティラ島の機械と呼ばれるこの装置は、紀元前2世紀ごろに製作されたと考えられている。残された破片をX線で調べると、内部には多数の歯車があり、歯の数と組み合わせによって天体の周期を表していた。太陽と月の動きだけでなく、月食や日食の起こる時期を予測するための表示もあったらしい。

歯車で日食を予測するというと、現代の電子計算機とはかけ離れて見える。しかし、一定の周期を計算によって求め、その関係を機械の回転へ置き換えるという点では、立派な計算装置だ。古代の天文学で知られていた周期を、手で動かせる装置に組み込んだのである。

研究の面白さは、機械そのものだけでなく、腐食した破片から元の仕組みを読み解く過程にもある。表面からは見えない歯車の形が断層撮影で現れ、判読できなかった刻字も少しずつ解読された。2006年の『Nature』論文は、こうした画像解析によって日食・月食の表示などを詳しく説明した。

とはいえ、装置全体が完全な形で残っているわけではない。惑星の位置を示す部分などには、研究者による再構成が含まれる。約2000年前の設計をめぐる研究は、発見から1世紀以上たっても続いている。

REFERENCES

参考文献・出典

  1. Britannica・アンティキティラ島の機械 ↗Britannica・アンティキティラ島の機械
  2. Decoding the ancient Greek astronomical calculator known as the Antikythera Mechanism ↗Nature(2006年)
  3. Our current knowledge of the Antikythera Mechanism ↗Nature Astronomy(2018年)

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