ラトビア西部のクルディーガにあるヴェンタの滝は、ヨーロッパでも特に幅の広い自然の滝として知られる。高さはおよそ2メートルほどしかないが、川の横幅いっぱいに水が落ちる。その段差へ春になると魚が跳び上がる。滝の上流へ向かおうとする魚たちの姿を、岸から見ることができるのだ。
遡上する魚にとって、滝は越えなければならない障害物だ。流れに逆らい、勢いをつけて水面から跳ね上がっても、一度で越えられるとは限らない。何度も挑戦する魚もいる。
かつて人々は、この動きを魚を捕まえるために利用した。ラトビア観光局によれば、滝で跳び上がった魚を空中で受け止めるための籠などを設置する漁が行われていたという。釣り針で魚を誘うのではなく、魚が自ら跳び上がってくる場所で待ち受ける発想だ。
春と秋で見られる魚の種類や移動の目的は異なり、毎日同じ数の魚が跳ねるわけではない。ヴェンタの滝の名物は単に広い水の段差ではなく、その段差を越えようとする生き物の動きにある。
.jpg?width=960)