ひとくち雑学 · 地理

台湾で「エリーゼのために」が聞こえたら、ごみを持って外へ

更新日:2026-10-30

台湾の住宅街で「エリーゼのために」が聞こえてきたら、ピアノの発表会が始まるとは限らない。黄色いごみ収集車が近づいている合図かもしれない。住民はごみ袋を持って通りへ出て、停車した収集車へ直接ごみを渡す。地域によっては「乙女の祈り」など別の曲が流れることもある。

日本ではごみを決まった集積所へ出しておき、あとから収集車が回収する方式が一般的だ。台湾の多くの地域では、それとは違い、収集車が来たときに住民が袋を渡す。音楽は、車が近づいたことを知らせるための実用的な仕組みになっている。

台湾・台中市で撮影された実際のごみ収集車と資源回収車
台湾・台中市で撮影された実際のごみ収集車と資源回収車。撮影・制作:Tbatb / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0(縮小表示のみ)

収集車の近くでは、一般ごみと資源物を分けて渡す様子も見られる。ごみを出すという毎日の作業が、人々の決まった時刻の行動をつくる。2025年の報道では、車を待つ時間に近隣の住民が顔を合わせ、言葉を交わす光景も紹介された。

音楽が鳴るだけではごみは片づかない。指定された時刻に住民が出てきて、分別したごみを引き渡すという協力があって初めて成り立つ。街を流れるクラシック曲が、生活の時間割の一部になっているのである。

REFERENCES

参考文献・出典

  1. 台灣垃圾車再引外媒關注 播古典樂、長輩準時報到寒暄成焦點 ↗中央通信社(CNA), 2025年
  2. Taiwan's garbage trucks offer classical music and a catch-up ↗AFP配信記事

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