中国は東西に非常に広い。東の沿岸部で朝日が昇っても、西の新疆ではまだ暗いことがある。それでも公式の時計は、どちらも「北京時間」を使っている。中国は全国で一つの標準時を採用しているのだ。
地球は24時間ほどで一回転するため、経度が15度違えば太陽の位置に対応する時刻は約1時間ずれる。中国の東端と西端には大きな経度差があり、太陽の動きに合わせるなら複数の時間帯があっても不思議ではない。
それでも時計を統一するのには、行政、鉄道、放送などの時刻を合わせやすくする利点がある。一方で生活の時間は太陽に影響されるため、新疆では北京時間とは別に、地元の時刻が非公式に使われる場面もある。人と約束するとき、どちらの時間を指しているか確認が必要になることもある。
時計の数字は自然に刻まれているものではなく、社会が決めた約束である。中国の西部では、その約束と太陽の位置のずれを毎日の生活の中で感じることになる。