シリアの砂漠にあるパルミラでは、何本もの石柱が並び、かつての大通りの形を浮かび上がらせる。古代には交易路に位置し、ローマ帝国とその周辺を結ぶ都市として栄えた。商人たちはここを通り、遠くから運ばれた品々が集まった。
神殿や列柱の並ぶ道路は、その富と政治的な重要性を伝える建造物だった。都市にはローマ風の建築だけでなく、地域の文化と結びついた独自の伝統もあった。
ところがパルミラの姿は、古代から変わらず残ってきたわけではない。2010年代のシリア内戦の最中、過激派による占拠や破壊で重要な建築が失われた。以前に撮影された遺跡の写真には、現在とは異なる姿が写っていることもある。
古代の都市を調べる資料は、地下から発掘されるものばかりではない。近年撮影された写真や測量記録も、現代の戦争で失われた文化財を記録する重要な手がかりになっている。