カタール南東部のホール・アル・アダイドでは、砂丘を越えると突然、青い水面が現れる。海岸から遠く離れた湖のように見えるが、その水は外海とつながっている。海水が深く内陸へ入り込んだ、珍しい地形だ。

砂丘と水面が隣り合うため、干潟、砂浜、浅い水路が複雑に組み合わさっている。潮の満ち引きによって水の流れが変わり、海と砂漠の両方の性質を持つ環境ができあがる。
砂漠の景色は乾いた地面だけでできているわけではない。海岸近くでは風が砂を運び、潮が水を出し入れする。その変化が同じ場所で繰り返されると、砂丘の裏側にも海の環境が広がることがある。
この地域は自然の地形と生態系の価値から、世界遺産の暫定リストにも掲載されている。衛星写真では砂と水が複雑な模様を描き、海岸線を一本の単純な境界として扱えないことがよく分かる。