2009年10月17日、モルディブの大統領と閣僚たちは、いつもの会議室ではなく海中へ向かった。ダイビング装備を着け、水深約6メートルの場所で閣議を開いたのである。机も椅子もない海底で、世界へ向けた声明に署名した。
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当時のナシード大統領がこの行動を選んだ理由は、海面上昇の危険を強く訴えるためだった。モルディブは標高の低い島々からなる国で、温暖化による海面上昇は沿岸の住宅や農地、生活基盤へ深刻な影響を及ぼす可能性がある。
海中では普通の会議のように話せないため、参加者はダイビング用の通信器材などを利用した。写真には水中で声明を扱う閣僚たちが写り、世界の報道機関がその様子を伝えた。
海面上昇を数字で説明することはできる。しかし、将来の危険を人々に実感してもらうのは難しい。モルディブの政府は、国の未来を脅かす海そのものを、会議の舞台に変えるという方法を選んだ。