中央アジアのキルギス南部には、クルミの木が広がる大きな森林がある。アルスランボブ周辺はその代表的な場所で、山の斜面にクルミやほかの果樹が生え、収穫の時期には人々が森へ入る。

スーパーに並ぶクルミを見ても、木がどんな山で育ったかまでは考えないかもしれない。ここでは森が地元の人々の仕事や食生活と直接結びついている。木の実は家庭で利用されるだけでなく、販売して収入を得るためにも重要だ。
しかし、収穫を続けるには森そのものが健全でなければならない。家畜の放牧や若い木の成長、人による採集の量などの条件が重なると、森の更新が難しくなることがある。
国際機関も、キルギスのクルミ果樹林を保護する重要性を指摘してきた。森を使わずに囲い込むだけではなく、利用しながら次の世代の木を育てることが課題になる。クルミを一粒割るだけでは見えない、山の森と人々の関係がそこにはある。