タジキスタンのヌレークダムは、巨大なコンクリートの壁を想像すると驚く。高さ約300メートルの堤体は、主に土や石を積み上げて築かれた。人がつくった山のような構造物で、ヴァフシュ川の水をせき止めている。
建設が進められたのはソ連時代。山地に流れる川の落差を利用し、発電するための重要な設備となった。高い場所に水を貯め、そこから水を下へ流してタービンを回すことで電力を得る。
しかし、ダムができれば川のすべてが以前と同じでいるわけではない。下流へ流れる水の量や時期が変わり、貯水池の周辺環境にも変化が生じる。中央アジアでは国境を越える川が多いため、発電用に水を蓄えることと下流で農業に使うことが、国際的な調整の問題になる。
ダムの高さは東京タワーに迫る規模だ。川の流れを利用するために、これほどの土と石を積み上げたところに、水力発電という技術の大きさが表れている。