1961年4月12日、ユーリ・ガガーリンを乗せたボストーク1号が、現在のカザフスタンにあるバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。ガガーリンは地球を一周し、人類で初めて宇宙空間へ到達した。人間が地球の外へ飛び出した歴史の出発点は、中央アジアの広大な草原だった。

基地は当時、ソビエト連邦の領土にあった。ソ連が崩壊するとカザフスタンの領域となり、ロシアが長期にわたって借り受けて利用する形へ変わった。宇宙船が発射される場所が、国家の境界や外交の問題とも結びつくことになった。
バイコヌール周辺には広い草原が続き、人口が比較的少ない。ロケットの試験や打ち上げでは落下物の安全管理が必要になるため、こうした地理的な条件は重要だった。
ガガーリンの宇宙飛行は人間の技術の歴史として語られる。しかし発射場がどこに置かれたかを考えると、宇宙開発が地上の土地と政治に強く支えられていることも分かってくる。