ウルグアイの首都モンテビデオで、道の向こうから幾重にも重なった太鼓の音が近づいてくる。何十人もの演奏者が歩きながらリズムを刻み、周囲には踊る人々が集まる。カンドンベと呼ばれる伝統的な音楽と踊りだ。
演奏では大きさの違う太鼓を組み合わせ、それぞれのリズムが重なって独特のうねりを生む。だがカンドンベは単に街頭で演奏される音楽ではない。その背景には、奴隷制の時代にアフリカから連れてこられた人々と、その子孫が文化を守ってきた歴史がある。
共同体の集まり、祭り、家族の行事などの中で演奏が続けられ、現在ではウルグアイのカーニバルを代表する文化の一つにもなった。ユネスコは2009年、カンドンベとその社会的な空間を無形文化遺産として登録した。
街を歩く太鼓の音を追うと、ウルグアイの文化はヨーロッパから来たものだけではないと分かる。大西洋を渡った人々が受け継いだリズムが、今も都市の通りに響いている。
