カリブ海のセントクリストファー島には、海岸に沿って小さな列車が走る。車窓には海や丘、農園の跡が広がるが、この鉄道は最初から観光客を運ぶためにつくられたものではない。サトウキビを製糖工場へ送るための産業鉄道だった。
かつて島では砂糖の生産が経済の重要な部分を占めていた。農園から切り出した大量のサトウキビを、効率よく運ぶためには鉄道が便利だった。線路は島の地形に沿って敷かれ、海岸や丘のふもと、橋を通って工場につながっていた。
製糖産業が衰えていくと、鉄道の役割も変わった。現在のセントキッツ・シーニック・レイルウェイは、古い線路を利用して観光客を運び、島の歴史と風景を紹介する。
昔は砂糖を輸出するために走った列車が、今は島を訪れる人々を乗せている。線路そのものは同じでも、運ぶものとそこから生まれる仕事は、時代によって大きく変わった。
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