ウーパールーパーは、丸い顔の両側に赤い羽のようなえらを持つサンショウウオの仲間だ。世界中の水槽で親しまれ、メキシコでは50ペソ紙幣にも描かれている。それなのに、本来の生息地であるソチミルコの水路では、野生個体を見つけるのが難しくなっている。
アホロートルという名でも知られるこの動物は、大人になっても幼生のような外えらを残し、水中で暮らし続ける。手足や尾などを再生する能力が高く、医学や発生生物学の研究でも重要な動物となっている。
しかし、飼育されている数が多いからといって、野生の個体群が安全になるわけではない。ソチミルコでは水質の悪化、都市化、外来魚などによって生息環境が変化した。メキシコ国立自治大学の研究者は、1990年代末から2010年代にかけて調査地点での個体密度が急減したことを報告している。
水槽で見る個体は、適切に管理された環境で生きている。一方、野生で暮らすためには、餌があり、繁殖でき、水質の保たれた水路が必要だ。かわいい動物の保護には、元の生息地を守る仕事も欠かせない。
