グリーンランドを飛行機から眺めると、島の内陸部はどこまでも白く続く。雪が少し厚く積もっているだけではない。島の広い部分を覆う氷床は、厚い場所では3キロメートル以上にもなる。長い年月をかけて降り積もった雪が圧縮され、巨大な氷の塊になったのだ。
氷床は固く凍っているため動かないように見えるが、実際には重力で少しずつ流れている。沿岸では氷河となって海へ進み、先端が割れて氷山になることもある。一方、地表では夏の暖かさによって雪や氷が融け、水が流れる。
この氷がすべて失われた場合、世界平均の海面を約7メートル押し上げるだけの水があると見積もられている。ただし、今すぐ一度に全部融けるという予測ではない。氷の増減は地域や季節で違い、長い時間をかけて変化する。
島の白い部分は、ただ気温が低いことを示す色ではない。過去に降った雪が積み重なり、現在の気候変動にも反応している巨大な氷の記録なのである。
