ホンジュラスの古代マヤ都市コパンには、階段の石一つ一つに文字が刻まれた建物が残っている。「神聖文字の階段」と呼ばれ、およそ63段の石段が巨大な歴史の記録になっている。
刻まれているのは、主としてコパンの王朝や支配者にまつわる出来事だ。王たちの名や政治的な歴史が、石の文字として建築物に組み込まれた。紙の本なら手でめくれるが、ここでは人々が階段を見上げ、あるいはその上を上りながら文字のある建物に向き合った。
ところが現在の階段をそのまま順番に読めば、すべてが分かるわけではない。長い年月の間に建物が崩れ、多くの石が元の位置から動いてしまった。過去の修復で積み直された部分もあり、研究者は石の位置や文字を検討しながら元の順序を復元しようとしている。
巨大な本を床に落とし、ページがばらばらになったような状態だと考えれば分かりやすい。歴史の記録は残っているのに、その並びを読み解くこと自体が研究になっている。
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