グアテマラ北部の熱帯雨林で、木々の上に石の神殿の先端が突き出している。ティカルの遺跡だ。現在は森に包まれているが、かつてここには宮殿、広場、住居、神殿が並ぶマヤの大都市があった。
ティカルの王たちは高い神殿や石碑を建て、重要な出来事や支配者の名をマヤ文字で残した。城壁だけが残るような遺跡ではなく、都市に暮らした人々の政治や宗教の記録も含まれている。
森に覆われた遺跡を調べるのは簡単ではない。土に埋まった建物は人工の丘か自然の丘かも分かりにくく、調査では地上からの観察に加え、航空レーザー測量などが利用されることもある。樹木の下には、地図に描かれていなかった道路や建物の痕跡が残っている。
都市が衰退した理由は一つに決められない。干ばつ、争い、資源や土地の利用などが関わったと考えられている。なおマヤ人そのものが姿を消したわけではない。今日もその子孫が各地で言語や文化を受け継いでいる。
