トーゴ北東部のクタマクには、丸い塔がいくつも連なるような家が立っている。尖った屋根と厚い土壁、狭い入口を備え、遠くから見ると小さな城のようだ。これらはバタマリバ人が暮らしてきた住居で、「タキエンタ」と呼ばれる。
土や木、わらなどの素材を組み合わせた建物は、穀物を保存し、家族の生活を営むためにつくられている。内部の空間や屋上の使い方には、気候への対応だけでなく、共同体の慣習や儀礼とも関係する決まりがある。単に頑丈な壁を立てればよいという建築ではない。
土でできた家は、放っておけば雨や風で傷む。外壁を塗り直し、壊れた部分を直し、建て方を若い世代へ教えなければ残らない。石造の遺跡をそのまま囲って保存する方法とは、文化を守るための仕事が違うのである。
クタマクはユネスコの世界遺産に登録されている。古い家の姿だけでなく、それを使い、直し、つくり続ける人々の技術も、価値を持つ文化の一部だ。
