タンザニア北部のナトロン湖は、周囲を歩くにも慎重さが必要な、塩分とアルカリ性の強い湖だ。多くの動物が近づきにくい場所にもかかわらず、コフラミンゴにとっては重要な繁殖地となっている。
湖には特殊な塩分環境でも生育できる微生物が繁殖し、フラミンゴの食べ物になる。水位や湖底の条件が適した時期には、広い塩の平原に泥を盛った巣をつくり、集団で繁殖する。周囲の環境が厳しいことは、地上の捕食者が容易に近づけないという利点にもなる。
もちろん、どれほど強いアルカリ性の水でも平気という意味ではない。フラミンゴは食べ物をこし取る特殊なくちばしを持ち、水分の取り方にも環境への適応がある。水位の変化や塩分の状態が変われば、巣をつくるのに適した場所も失われる。
ナトロン湖では資源開発をめぐる計画が自然保護の議論になってきた。鳥たちが暮らせるかどうかは、単に湖が残っているかだけでなく、その化学的な環境と繁殖地の地形が保たれるかにもかかっている。
