アフリカの動物の大移動といえば、タンザニアやケニアを巡るヌーの群れが有名だ。しかし2024年、南スーダンの広大な草原では、それに匹敵し、推計によっては上回る規模の陸上哺乳類の移動が確認されたと発表された。
航空機を使った調査で数えられたのは、シロミミコーブ、ティアン、ガゼル類などの大群である。研究チームは、観測結果と統計的推定から約600万頭が季節的に移動すると見積もった。ただし、600万頭を一頭ずつ完全に数えたわけではなく、推計には調査方法に由来する不確実性がある。
これほど大きな現象が世界にあまり知られていなかった背景には、南スーダンの長い紛争がある。空から動物の数を数えることも、追跡装置を取り付けることも、安全な調査環境なしには難しい。野生動物が移動を続けていた一方、その規模を正確に調べる機会は限られていた。
季節の雨がもたらす草地の状態に合わせて動物が移り、湿地や平原を横断する。移動経路を守ることは、国立公園の中だけを保護することとは異なる。野生動物の暮らしは、地図に引いた保護区の線よりもはるかに広い。
