ケニアのナクル湖は、かつて湖岸がピンク色に見えるほどフラミンゴが集まる場所として知られていた。2006年1月の調査では、約135万羽が数えられている。ところがケニア野生生物公社が2026年に公表した調査報告によると、2025年1月のナクル湖では約500羽だったという。同じ湖で、これほど大きく数が変わったのである。
フラミンゴは何を求めて湖を移るのか。コフラミンゴなどが餌にするのは、アルカリ性の湖に増える微細な藻類やシアノバクテリアだ。特徴的なくちばしで水をこし、食べ物を集める。羽の赤みも、食物から取り込んだ色素と関係している。
ところが水位が上がると、湖の塩分やアルカリ性の条件が変わり、餌となる生物が減ることがある。ケニアのリフトバレーでは近年、複数の湖の水面が拡大し、フラミンゴの分布にも変化が起きている。かつて大群が集まった場所から鳥が減っても、それだけでフラミンゴ全体が同じ割合で減ったとはいえない。別の湖へ移っているからだ。
意外な動きが見られたのが、ケニア北部のロギピ湖である。ケニア野生生物公社によれば、2024年12月の航空調査では約73万7000羽のコフラミンゴが確認された。ナクル湖の鳥が姿を消した理由を考えるには、一つの湖だけを見ていては足りない。
写真に写るピンク色の大群は、同じ景色がいつまでも続くことを保証しない。フラミンゴが集まる場所は、湖の水と、その中で育つ餌の状態によって変わっていく。
