ラゴスは巨大なビルと交通渋滞で知られる都市だが、その入り江には、まったく別の景色が広がっている。マココと呼ばれる水上集落では、木の杭に支えられた家々の間を細長い舟が行き交う。家から学校へ向かうにも、舟が交通手段になることがある。
水辺で暮らす人々の仕事は、漁や魚の加工、商売などさまざまだ。道路の代わりに水路があるからといって、生活のすべてが観光客の目に映る「珍しい風景」で説明できるわけではない。飲み水、衛生設備、火災への備え、学校へのアクセスといった都市の問題が、そこにもある。
近年は住民が暮らし続けられるかという問題が深刻になっている。2025年末から2026年初めにかけて当局による建物の撤去が進み、家を失った人々がいると報じられた。行政側は安全確保などを理由としている一方、住民や支援団体は撤去の手続きと補償を問題にしている。
水上集落の存在は、近代的な巨大都市の中にも異なる住まい方があることを示す。だが、その暮らしが都市の発展から取り残されるのか、それとも安全に続けられるのかは、住民自身に関わる切実な問題だ。
