2014年11月23日、カーボベルデのフォゴ島で火山が噴火した。溶岩は火口周辺のカルデラに広がり、そこにあったポルテラとバンガエイラの集落をのみ込んだ。道路や家だけでなく、ワインやジャムをつくる施設、学校、教会も被害を受けた。噴火は翌2015年2月まで続いた。
そもそも、なぜ活火山のカルデラの中に村があるのだろう。フォゴ島の火山性の土地では農業が営まれ、ブドウづくりや観光も住民の仕事になってきた。噴火の危険があることと、そこが長く暮らしてきた故郷であることは、住民にとって同時に成り立つ。
2014~15年の噴火では1000人以上が避難し、多くの建物が破壊された。それでも噴火が終わると、住民の一部はカルデラへ戻った。2024年に発表された研究によれば、噴火終息から1年もたたないうちに、以前の住民の約3分の1が帰還していたという。生活を立て直すうえでは、土地への愛着だけでなく、ブドウ栽培や観光の仕事を再開できることも重要だった。
火山のすぐそばで暮らすことを、外から単純に無謀だと決めつけることはできない。一方で、次の噴火に備える避難計画や安全対策は不可欠である。フォゴ島では、火山がもたらす農地や景観と、溶岩に覆われる危険の両方が、人々の日常に関わっている。
