モーリシャス島に生息していたドードーは、飛べない大型の鳥だった。絵本では丸い体でのんびり歩く姿が描かれるが、生きているドードーを詳しく観察できた研究者はほとんどいない。17世紀末までに姿を消し、残っているのは少数の標本や骨、当時の記録などである。
ドードーは、地上に大型の捕食者が少ない島で進化し、飛ぶ能力を失ったと考えられている。そこへ航海者や入植者が到来すると、狩猟が行われただけでなく、持ち込まれたブタやネズミなどが卵や生息環境に影響した可能性がある。絶滅の原因を「人間が全部食べたから」の一言で説明することはできない。
そもそも、よく知られるドードーの姿も確実ではない。描かれた絵の中には飼育状態や画家の誇張を反映したものがあるとされ、骨格から体の大きさや姿勢を推定する研究が続いている。
人が来る前の島に適応した動物にとって、新たな捕食者や環境の変化は大きな脅威になる。ドードーが今日、絶滅の象徴として語られるのは、その歴史が人間による島の生態系の変化をよく示しているからだ。
