アフリカのゾウというと、草原の大きな群れを思い浮かべる人が多い。だがガボンのロアンゴ国立公園では、森から出てきたゾウが大西洋の砂浜を歩く。背景はサバンナではなく海。熱帯雨林と海岸がすぐ隣り合う、ガボンならではの風景だ。
ここに暮らすのは、森林の生活に適応したマルミミゾウ、いわゆる森林ゾウである。サバンナゾウと比べて体は小柄で、耳や牙の形にも違いがある。木の多い森の中を移動しながら果実などを食べ、海岸や湿地を利用することもある。
海辺で見られる動物はゾウだけではない。ロアンゴではカバやバッファローなどが海岸付近で目撃されてきた。ただし、国立公園に出かければ必ず海岸にゾウがいるというわけではなく、移動や採食の場所は時期や条件によって変わる。
ロアンゴが珍しいのは、動物が「海好き」になったからではない。森が海のそばまで連続しているため、普段なら森の中で出会う動物が、開けた砂浜にも姿を現すことがあるのだ。
