ゴリラは人間が地図に引いた国境を気にせず、森の中で餌を探し、休み、移動する。コンゴ共和国北部のノアバレ・ンドキ国立公園は、隣接するカメルーンと中央アフリカ共和国の保護地域とともに、「サンガ三国間保護地域」を構成している。
この一帯は熱帯雨林が広く続き、ニシローランドゴリラや森林ゾウなどが生息する。動物たちの姿は、木々が密集した森ではなかなか見つからない。そのため研究者は足跡やふんなどの痕跡を調べ、森の開けた湿地で姿を観察することもある。
国境をまたぐ保護区には独特の難しさがある。片方の国で厳しく密猟を取り締まっても、別の国で森林破壊が進めば、動物の暮らしに影響が出る。野生動物の移動経路を残しながら保護するには、異なる政府や地域の住民が協力しなければならない。
ユネスコは2012年にサンガ三国間保護地域を世界遺産へ登録した。ゴリラを守るには、一つの国立公園の中だけで動物を数えるだけでは足りない。森がつながっていること自体が、野生動物にとって重要な条件なのだ。
