ブルンジの伝統芸能「王の太鼓の儀礼舞踊」では、演奏者たちが大きな太鼓を頭に載せて入場する。地面に太鼓を並べると、棒で打ち鳴らしながら跳び上がり、体を大きく動かして演奏する。音だけを聴くよりも、その場にいる人の動きを見ることで、太鼓が演奏と踊りの両方を担うことが分かる。
太鼓は木の幹をくりぬいて胴をつくり、皮を張ったものだ。かつてブルンジの王国では、太鼓は単なる娯楽の道具ではなく、王の権威や国家の儀礼と結びついていた。どの太鼓を中心に置き、誰が演奏するかにも伝統的な決まりがあったという。
2014年、この舞踊はユネスコの無形文化遺産に登録された。太鼓そのものを博物館に置けば文化が保存されるわけではない。演奏のリズム、身体の動かし方、集団で演奏する際の役割を次の世代へ伝える必要がある。
大きな太鼓を抱え、踊りながら打つには、楽器の技術だけでなく体の動きと集団の呼吸を合わせる技術もいる。ブルンジの王の太鼓は、音楽と儀礼、身体表現が一つになった伝統だ。
