ひとくち雑学 · 地理

ボツワナでは、乾季に大洪水がやってくる

更新日:2026-10-30
ボツワナの砂漠に広がるオカバンゴ・デルタの湿地
ボツワナの砂漠に広がるオカバンゴ・デルタの湿地撮影・制作:Joachim Huber / Wikimedia Commons(画像の原典) · CC BY-SA 2.0(表示サイズのみ変更)

アフリカ南部のボツワナでは、雨の少ない乾季に、広い湿地が水を増やし始める。川が氾濫するなら大雨の直後と思いたくなるが、オカバンゴ・デルタでは少し事情が違う。湿地に届く水は、はるか北のアンゴラ高地で降った雨なのだ。

アンゴラで降った雨は、オカバンゴ川を下ってボツワナへ向かう。途中には長く緩やかな流れがあり、水が広いデルタに届くまで時間がかかる。そのころ現地では雨季が終わり、乾季に入っている。雨の季節と洪水の季節がずれているのである。

もう一つ不思議なのは、この川が海へ注がないことだ。オカバンゴ川は内陸のカラハリ盆地へ広がり、そこが終着点となる。流れ込んだ水は蒸発し、植物に利用され、地面に浸み込んでいく。大量の水がやって来ても、最後には海へ続く一本の河口をつくらない。

湿地の生物にとって、この時間差は大きな意味を持つ。周囲の草原が乾く季節にも水場が広がり、魚や鳥、大型の哺乳類が利用できる場所が生まれる。ユネスコは、乾季に洪水が起こることをオカバンゴ・デルタの特徴として挙げ、その季節変化が動植物の暮らしに深く関わると説明している。

地図上では砂漠へ流れ込んで終わる一本の川。その流れは海へ出ることなく、毎年、乾いた大地の上に広大な水辺をつくっている。

REFERENCES

参考文献・出典

  1. UNESCO世界遺産センターが公開する解説・資料(ボツワナ) ↗UNESCO世界遺産センター

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