アンゴラの首都ルアンダから南へ行くと、海岸近くの大地が突然、奇妙な形にえぐられた場所が現れる。赤茶色の地層に幾筋もの溝が走り、尖った土の柱が立ち並ぶ。ミラドウロ・ダ・ルア――ポルトガル語で「月の展望台」と呼ばれる場所だ。
遠くから見ると、別の惑星の写真のように見える。しかし隕石の衝突跡でも、火山の火口でもない。柔らかさの違う土や岩の層が、水と風で少しずつ削られてできた地形である。
雨が降ると、地表を流れる水は小さな溝へ集まり、土を運び去る。水の流れが繰り返されるうちに溝は深くなり、侵食に強い層や部分だけが突き出して残る。普段は乾いて見えても、時折降る強い雨が地形を変えることは珍しくない。
ここで面白いのは、月面に似た景色をつくっている力が、実際には地球特有の風化や水の流れだという点だ。名前は月を連想させるが、岩肌を細かく刻んだのはこの土地の雨だった。
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